ある現代文講師の活動日記

大学受験予備校講師の武川です。『全国大学入試問題正解』(旺文社)を解いた記録用のブログです。

Day5(私立)青山学院大学経済学部

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夜中に解いたから眠たいという感想しかないですが笑

 

◆形式

2題/60分

漢文がない形式。分量でのストレスは無さそう。

 

◆出典

『探偵小説と日本近代』/吉田司雄

文学として表現される事件についても、そのキャラクター自身の「個人」があって、その内面には立ち入ることが出来ないよねー、これが近代的個人だよねー、という文章。(最高に雑

 

青学とか上智の文章って「世の中色々な文献があるのね」と思わせてくれるから面白いです。

 

◆雑感

青山学院の問題は知識事項+比喩換言+その他というイメージ。とくに比喩の換言は傍線部の前後はさりとて、傍線部そのものの分析が大事であり(これは普通の換言や理由説明でもそうなのですが)、その作業の練習を積んでおけばなんてことは無い問題かと。

唸るような問題は無かったです。the(じ?)青学って感じ。

 

以上!

 

Day4(国公立)弘前大学

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本州に上陸しました。弘前大学のレビューです。

 

◆偏差値(河合塾)

医学部 67.5

他 47.5-52.5

 

医学部は別格。他はいわゆる各都道府県における「東大」なのでしょう。!だから青森から出られなかった優秀生もいるんだろうなー、と。

 

◆形式

3題/90分

→現代文+古文+漢文の形式。バランスよく。やはり国立大学には三つの分野すべてが出ていてほしいですね。

 

◆出典

『童謡の近代』/周東美材

→20世紀になって子供が「聖なる存在」になったよねー、という文章。また、最近はメディアの発達により子供が「マイナーな主流」(原典のまま)としての消費の中心にあることを説いている。

 

◆雑感

・問題レベルはやや易。やはりこの辺の中堅国公立大学は「素直に読んで素直に解く」みたいなきっちりとした作業が出来れば解けるのだなー、と。

・空欄補充の問い方にはやや疑問が残る。特に問7は答えはひとつでも、いくつかの候補表現がある気が。

・恐らく塾予備校という「特殊インフラ」が無くてもこの問題であれば解ける。その意味では過去問演習も大事だよなー、と。自学自習であれば過去問を解くのが一番良い対策になると思いました。

 

以上!

 

Day4(私立)獨協大学

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さて、私大編はいよいよ関東へ突入。

数日で北海道と東北が終わりましたが、大都市圏のその規模の大きさに応じて私大の数、クオリティが揃うというのはごくごく自然なのでしょうね。大阪生まれ横浜育ちでしたので、小さい時から国立大と私大についてそこまで大きな差が無い差が無い(かつて大阪大、神戸大への進学を検討したことがあるのですが、両親からはその力があれば早慶大に行くので良いのでは?と言われたことを思い出しました)という認識なのは、私の地理的な来歴にも関係するのだなぁ、と思いました。

 

さて、埼玉の上智と誰が呼んだか獨協大学の問題についての感想です。

 

◆偏差値(河合塾)

国語学部  50-60

他 45-55

やはり、外国語学部、しかも英語系はとても偏差値が高い。他は、日東駒専よりは高い。成成明学獨國武(何故か変換に出てきた)というくくりで扱われてるんですね。

 

◆形式

2題/60分

 

大問1のみの掲載なので分かりかねるが、問題分量としては無理の無い設計のように感じます。むしろ少ないかも。

 

◆出典

『「日本的な」を理解する視座』/小笠原泰

 

日本人独特のグローバル意識(日本人はダメor日本人の特殊性こそ素晴らしい)の問題点を指摘した上でどのように考えるべきか、という文章。「グローバル化は進展するほどローカライズの一面を見せてくる」という話は納得。マクドナルドやケンタッキーの日本での展開とかを題材にできそう。

 

◆雑感

・素直な問題。根拠も押さえやすく選択肢も切りやすい。適度な歯ごたえがあるものもある。しかし、「読まなくても解ける」的な小手先のテクニックが通用してしまう問題ばかりのもこれまた切ない。

 

 

 

以上!

 

 

Day3(国公立) 小樽商科大学

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アップ忘れの小樽商科大学(おたしょー)についての雑感

 

◆偏差値(河合塾)

50

最近は雑誌の「就職力」(って何なんだ‥‥)とかで「お買い得」(入学偏差値の割に就職実績がよい)みたいな扱いをされてる学校のひとつですよね。

 

◆形式

4題/100分

見た目の割に中身は軽いイメージ。古文漢文まで出すあたりに文系大学の矜持を感じなくもないですが、中身はそんなにハードではなさそう。

 

◆出典(現代文のみ)

・大問1『現代(いま)を生きる日本史』/須田努、清水克行

→日本の近代末期(個人的には戦後、高度経済成長期あたりまでの人々のマインドを近代と呼ぶべきだと考えております)からポストモダン期、現在に至る人々の歴史観や社会観を書いたもの。内容的にはオーソドックス。

・大問3『民法は面白い』/池田真朗

民法の法律の中における特殊性を述べたもの。たしかに商習慣などは民法の規定とズレているものもあるよなぁ、と思いながら読んでいました。

 

◆雑感

・大問1は出題意図がつかみにくい問題が多かった印象。問4の抜き出しは、「無理やり抜き出し問題を増やしました」感もある。記述は抽象化をどの程度まで求めるか、という問題。ある程度幅広く点数をあげるようにしないと得点にならないが、幅を広げると点数は取れてしまう、という悩ましい事態になりそう。

 

・大問3は比喩換言の記述に理由説明と、これも典型題のような出され方。字数はタイトだからまとめにくいのか、というとそういう訳では無い。適正な字数。

 

普通に努力して普通に点数を取る、という感じの問題です。高2あたりの初学者用のテキストに入れたいですね。

 

 

以上!

 

 

Day3(私立)東北学院大

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東北地方で唯一の掲載校でした。

 

◆偏差値

45-47.5

北海道の2校よりも高いランク付け。ちなみにプロ野球選手が多いイメージの東北福祉大がやや下の位置づけなのね。

※参考

http://www.keinet.ne.jp/rank/18/ds02.pdf

 

◆出典

・大問1   『言葉が鍛えられる場所』/平川克美

→速度礼賛の現代社会がもたらした恩恵と弊害について、特に後者について述べた文章。

 

・大問2   『波打ち際に生きる』

→人生の中でかけがえの無い何かを得るの「場」についての文章

 

◆形式

120分で2科目。つまり60分イメージ

 

◆雑感

・両極端な評価になる。

☆素晴らしい点

→記述問題。レベル設定としても、聞くポイントとしても良問の類。理由説明と換言が各2題。バランスも良い。

 

★イマイチな点

→上記問題を除くと語彙、知識に偏る点。たしかに、いたずらに入試問題を難しく、また取っ付きにくくして受験生から敬遠されても困るという事情もわかる。

しかし、大学入試の問題でひたすら語句知識、漢字を問い続ける大問2は、やはり心情的にはいただけない。はっきり言って中学入試の慶應中等部の方がよっぽど難しい知識を出してくる。

このレベルを問わなければならないならば、政府の言うように大学は「産業におけるスキル養成所」で良いのではないでしょうか‥‥。

 

Day2(国公立)北海道教育大学

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調べて見ると北海道にも国公立大学は割とたくさんあるのね、ということが分かりました。不勉強ですみません。

 

◆偏差値(河合塾)

47.5-50

一概に偏差値だけで語るというよりも、このエリアの教員養成のための公的機関なのでしょう。教育大は偏差値よりも賢いイメージがある。

 

◆形式

現代文+漢文/90分

 

◆出典『日本文学の大地』/中沢新一

芭蕉以後に日本の俳句は変わったし、なにより芭蕉の俳句って「唯物論的思考」じゃない?という内容。そんな分析を誰もしていないのはおかしいよねー、というこの筆者独特の「俺スゲー」感が滲み出てる。

 

◆雑感

・面白い問題だった。教育者としてこのレベルの知識、教養は欲しいよねー、と思わせてくれるレベルが揃う。

 

・問2

芭蕉以後の俳句の展開を「小林一茶」「与謝蕪村」「正岡子規」「おらが春」の語を用いて書かせる問題。ちなみに文章中に根拠はありません。中途半端に文学史について聞くぐらいならこれぐらいしっかりと書かせるべきだと思う。

 

・問5-2

俳句の鑑賞文を書かせる問題。この形式はかつて開成高校がH17前後の問題でよく出していたことを思い出しました。

 

・問6

漢文の問題。これも文章とは直接関係ない。素人すぎて分からないのですが、そんなに難しくは無さそう。

 

・問7

あなたにとっての俳句とは?という問題。自由記述(250-300字)しかも、文章中以外の俳句を挙げて、その説明をするという問題。これは書けない子も出てきそう。興味がなければアウト。

 

以上。面白かったー。

 

Day2(私立) 北海学園大学

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昨日の「北星学園大学」についで北海道シリーズ第二弾。

 

河合塾の偏差値

各学部45前後

 

地方によっては私大の選択肢が思ったよりも狭いのね。国公立信仰の一端がうかがい知れる。

 

※参考  北海道の私大一覧

https://studysapuri.jp/arA01/kc02/

 

◆形式

現代文2題/60分

北星学園大学よりも問題量、文章量ともに多め。

 

◆出典

大問1  『真実の百面相』/大森荘蔵

一人ひとりの主観はどれも間違いではないんやで、という『世界に一つだけの花』的な世界観(雑

 

大問2  『人権新説』/藤弘之

「天理」という概念の説明から、明治政府の中央集権体制の完成について説明をしたもの。具体例ばっかり。

 

◆雑感

・漢字が難しい。読みで「翡翠」「斑模様」「逢着」は読めないものがあっても不思議ではない。

・大問2の問9は問題不成立に近い。理由と言うにはちょっと遠い。

・分量は多いけれども問題は単純。簡単というよりも単純。いわゆる「テクニック」だけで何とかなってしまう。北星学園の方がいい問題。

 

◆平均点

受験者  55-60

合格者  62-67

http://hgu.jp/pdf/admission/admission05_03.pdf

 

以上。